Q1
Maiko Kasugaさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?
A1
糸を染めて紡ぎ、布小物を織っています。
工房からの風には、ストールを中心に色とりどりのネックウォーマーや帽子を出品します。
大学の時に織物と出会ってから、変わらずに手織りで表現したいことは「彩り」でした。
もっと深く、もっと曖昧に、心に感じた色を糸の重なり合いで表現するにはどうしたらいいのだろうと、
試行錯誤しながら続けてきて、今、辿り着いたことが、染めて、紡いで、織る。という形でした。
手染めで染めたタテ糸に、手紡ぎで紡いだヨコ糸を織り込んだ彩りでいっぱいのストール達です。
手紡ぎならではのふんわり柔らかな手触りとともに、たくさんの彩りを楽しんでいただけたら嬉しいです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
織機はもちろんですが、糸車は彩り作りのメインとなるヨコ糸を紡ぐための大切な道具です。
キコキコと動かしながら、指から次々に現れてくる色を見ながら紡ぐ作業は、静かに心の中の彩りと向き合える心地良い時間です。
今年の夏ごろ、急に思い立って糸車を解体してメンテナンスを兼ねて少し手を加えてみました。
ちょっぴりおめかしした糸車といっしょに工房からの風に参加させて頂くのが楽しみです!
Q3
Maiko Kasugaさんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
北海道の美瑛町という町に、大学卒業後に数か月滞在していたことがあります。
その時に、初めて「この風景と、空気を織物で表現したい!」という感情が生まれたのを強く覚えています。
以来、日常の中でも心に留った景色や空の色、誰かの笑顔など、
その時に「自分の心の中の動いた何か」を元に織るようになりました。
今でも、制作の原点に戻りたくなると美瑛町に訪れます。
いつも変わらず、迎えてくれる広くて大きな丘を見ると、また新しい織物に向き合えるような気がします。
色を織りあげる。
Maiko Kasugaの布に向かうとき、作家の想いがすっと伝わってきます。
素材、技法、デザイン・・・。
特に今回は「紡ぐ」工程でMaiko Kasugaさんの想い描く布の世界をふくらませてみたようです。
織り上げても、織り上げても、作家の想いは掴むよりも遠ざかるようなところもあるでしょう。
けれど、その過程過程に実った作品が、誰かの心に響くことが、次への創作の糧になっていくように思います。
作品を介して交わされる幸福な出会いが、作り手にも使い手にも恵まれますように。
Maiko Kasugaさんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
手前には、スペインからこられる、TALLER URARAKAの片岡陽子さん。
ブラジル育ちの春日麻衣子さんと、響くことがあるまもしれませんね。
Maiko Kasugaさんのホームページはこちらになります。
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